小樽の除排雪に大活躍する除雪用具

雪は冬の観光資源にもなりますが、雪国の住民にとっては頭痛の種でもあります。

小樽市は北海道でも雪の多い地方に数えられ、毎年平均で累積5m以上も雪が積もります。

日中に解ける分を差し引いても、最深積雪が1mを超える日が長く続きますので、朝の出勤・外出前に各家庭の玄関周りなどを除雪するのが冬の日課となっている小樽市民も多いのではないでしょうか?

その際に大活躍するのが各種除雪用具です。

◆ 雪かきスコップ

数cm程度の積雪であれば、この雪かきスコップが便利です。

降ったばかりの軽い雪をすーっとすくって、簡単に除雪することができます。北海道でも雪の少ないエリアの除雪には、この雪かきスコップだけで十分です。

また、凍って固くなった雪や氷などは、金属製のスコップで砕いて処理することもあります。

◆ ママさんダンプ

 

雪国以外の地方の方には聞きなれない言葉ではないでしょうか?

冬になるとホームセンターなどに並ぶ大型の除雪用具です。正式名称はスノーダンプというらしいですが、少なくとも北海道のほとんどのエリアでは「ママさんダンプ」で通じます。

なぜ “ママさん” なのかについては諸説あるようですが、「力のないママでも、ダンプのような馬力で除雪できるから」というのが有力な説です。確かに、小さいスコップでは除雪に時間がかかってしまいますが、このママさんダンプがあれば、一度にたくさんの雪を運べます。

呼び名はちょっと変ですが、かなりの優れもので、小樽の冬には欠かせない除雪用具です。

◆ 除雪機器

 

広い敷地がある家や、広範囲を除雪しなくてはならない場合などは、簡単に素早く除雪することができる電動式・エンジン式除雪機を使います。

また、雪かきで集めた雪を置いておく場所がない場合などは、移動式の融雪機や埋め込み式の融雪槽などを備えているところもあります。

家庭用としては高額なので一般的ではないですが、冬になるとホームセンターでこのような除雪器具が販売されているのを見ることができます。

◆ 除雪車・ショベルカー

  

ママさんダンプなどで各家庭が集めた雪は、定期的に除雪車やショベルカーなどでトラックに積まれ、指定の雪堆積場などに運ばれてゆきます。

山のように積まれていた大量の雪が大きなトラックに効率良く積み込まれる様子はなかなかの大迫力で、作業後は雪が綺麗になくなります。

交通量が少ない夜間に行われることが多いので、寒い中で除排雪作業に携わる方々には本当に頭が下がります。

除排雪作業は各市町村がそれぞれに予算を取って手配するのが一般的ですが、雪が多い小樽市の場合は、市が手配する除排雪の順番を待っていると、各所に集めた雪が道を塞ぐくらいになってしまい危険な状態になることもあるので、行政に頼らずに町内会や個人で除排雪を手配するケースもあります。

◆ 鉄道用除雪車

小樽やニセコを含む後志地方は、北海道の中でも特に雪が多いエリアなので、冬季は鉄道の安全な運行のためにも、線路の除雪がとても大切な作業となります。

写真は、小樽築港駅で出動を待つJR北海道の除雪車です。小樽築港駅の駅員さんに聞いたところ、冬の間は毎日倶知安の車庫を夜中の3時過ぎに出発し、線路の除雪をしながら小樽に向かい、昼間は小樽築港駅で夜の出動を待っているそうです。

こちらは鉄道用除雪車としては最も一般的なラッセル車といい、車両の前方に排雪板を装着し、線路に積もった雪を掻き分けながら進みます。ちなみに”ラッセル”とは、ラッセル車を開発した企業名に由来しているそうですよ。

小樽築港駅で出番を待つラッセル車の姿は、冬の北海道の風物詩のひとつですね。

◆ 国際スポーツ雪かき選手権

   

小樽市民を悩ませる雪かき作業ですが、それを逆手に取ったイベントがあるのをご存知ですか?

小樽では毎年冬に「国際スポーツ雪かき選手権」が行われています。

”スポーツ雪かき”は、その厄介な雪かき作業をゲーム感覚のスポーツに昇華させ、目的を持って行うことで楽しみを見出し、地域の人たちから感謝されることで達成感を得ることができるユニークなイベントです。

除雪を通して高齢者の手助けや地域の子供たちとの交流を促進して、町会を中心とした小樽の地域コミュニティを活性化させる目的で奮起し、協力し合っています。

大会には「ボランティア雪かき」も含まれているので、高齢者が多い小樽ではとても喜ばれています。
興味のある方は、ぜひチームを組んで参加してみてくださいね。


※実施状況は「国際スポーツ雪かき選手権」公式ホームページをご確認ください。